第159章 小泉さんのダブルスタンダード

考えがまとまると、彼女はスマホを放り投げ、ベッドのヘッドボードにもたれたまま身体を丸めた。そうしているほうが、少し楽だった。

待っているあいだ、眠気と痛みがいっぺんに押し寄せ、意識はふわふわと霞んでいく。

どれほど経ったのか――また足音が耳に届いた。

目を開けると、男が外の冷気をまとったまま入ってくるところだった。手にはトレー。

その上には弁当箱、湯たんぽ、貼るカイロ、それから黒い袋がひとつ。

南雲玲奈の耳の奥が、ぱっと熱くなる。

……知ってたんだ、この人。

小泉大輔は彼女の気まずさを察したのか、できるだけ平静を装って言った。

「ここにお粥と生姜湯が入ってる。まず何か食べて胃...

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